緑系ののれん

　人間は五感によって様々な感情を抱きます。

その中でも視覚は心理的な作用に最も影響を与えると
言われており、色の重要性も高くなっているのです。

特にのれんは、お店の看板としての役割や呼び込み、
イメージを形作る存在でもあります。

どんな色を採用するかによって、どのように人の感情に
訴えかけるかも変わってきますので、各特徴を
理解したうえで選択することが大切です。

緑は緊張感を和らげて、リラックスさせたり
安心感を与えたりする効果があると言われています。

木々に囲まれた大自然を目の前にした時に、
どこか心が安らぐような感覚を覚えるのもこのためです。

また、虹は7つの色から構成されていますが、
緑はちょうど真ん中に位置しています。

つまり、中立の立場で非常にバランスが取れていると言えるでしょう。

心のバランスにも無意識下で働きかけ、安定した状態にしてくれます。
仕事でストレスを感じた時や人間関係のトラブルで
気持ちが落ち込んでいる時など、自然を求めて
森や山に足を運ぶ人が多いことにも理由があるのです。

そのため、カフェなどのブランドカラーにもよく用いられます。

以上のような緑が持つ特性から、休憩の場やひと息入れたい時に
立ち寄る和菓子屋ののれんに採用するには最適だと言えるでしょう。

さらに和菓子と言えば、お茶が付き物です。
和菓子と一緒にお茶を取り扱っているお店も珍しくありません。

緑は和菓子とも関連性があって相性が良いのです。
風に揺れる柔らかなのれんの雰囲気も、木々の葉が揺れていることを
連想させて癒やしを感じさせます。

また、目を休ませる効果もありますので、優しい印象を
与えることができるのです。

深層心理に働きかけて売り上げにも影響する可能性があるのです。

単に好きな色を選んでしまうと逆効果となってしまうこともあります。
のれんの役割を考えるといかに大事なことか分かります。

のれんはそのお店を象徴するもの、商品やサービスを
イメージできることが重要です。

建物をイメージを決定する要素は、多くが外観で占められています。

その見た目要素のことをフランス語でファサードと言い、直訳すると正面という意味になります。

特に欧米の歴史では道路に面する正面部分だけを豪華に装飾する歴史があり、そこに特徴の多くが集約していたためこのような呼び方になっています。

それと同時に建物の格式も意味に含まれるようになりました。

そして現代ではこの言葉は広い意味で使用されていて、建物が持つ見た目的な装飾全般を指し示すためにも用いられます。

歴史的建造物には、当時の歴史を物語る特徴的なファサードが数多くあります。

しかし耐久面や使用目的などの問題で、現代では建物全体を維持することが難しい場合も少なくありません。

そのような時に用いられる手法がファサード保存です。

外観の特に特徴的な正面だけを残して、その他の部分は近代的な建築に作り変えてしまおうというものです。

特に日本の都会部分では昔の建物では収容可能なスペースが少ないため、ファサードの上部に高層ビルを建築する例が多く見られます。

近代建築の中には古い建物を模してデザインされるものもありますが、ファサード保存はあくまでも古いものを残している形なので、その場合はただのファサードということになります。

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